第1章

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   一  中学一年の夏休み。  我が家の隣に綺麗な女の子が引っ越してきた。  その子の名前は入谷アリス。母方の祖母がイギリス人らしい。  日本人離れした、目鼻立ちのくっきりとした美しい相貌。  わたしは一目見て、彼女のことが好きになった。  お友達になりたい――  けれど、なかなか会話するチャンスは訪れなくて。  はじめて彼女と会話を交わしたのは二学期の登校初日――  九月一日の朝のことだった。
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