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夕方。せっかく会話の機会があったのだから、好きなご飯を聞けばよかったと後悔しながらのスーパーからの帰り道。アパートのすぐ傍でお隣さんと遭遇した。彼は携帯画面に夢中で私に気付いていない。
「お引っ越しは落ち着きました?」
「おわっ! あ、はい。でもトイレットペーパーとか、そういうのなんにもなくて。お姉さん外出中みたいだったんで、地図見ながらの買い出しです」
「わ、ごめん。具をなににしようかなって悩んでたら、時間かかっちゃった。道教えようか?」
「すみません。ひとまずコンビニ以外でティッシュとかそういう生活必需品が売ってるところ、教えてください」
どうやら彼のもうひとりのお隣さんも外出中らしい。このへんの地理に明るそうでご挨拶を兼ねられる人が全滅で、とぼとぼ歩き始めたところを私はつかまえたようだ。
ざっくりとだけれど、去年私がお兄さんにしてもらったように、すぐ必要な情報を与えていく。
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