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「でもなんでオカカなの?」
「ひらがなで名前書いて、真ん中三文字引っこ抜いただけです。あと、オカカふりかけが嫌いなところとかで」
「にし、おかか、えで。あ、本当だ。ふりかけ嫌いなんだ……」
「カエは友達に共食いだとか茶化されたことないんですか」
「ないなぁ。むしろ私、オカカふりかけ好きだし」
「僕も味が嫌いなわけじゃないんで、食べられはするんですけど。なんか、こう……、マジで共食いしてる気分」
「じゃあ積極的に共食いさせる方向でいくね」
「えーっ!」
本気の抗議の声を浴びながら、席につく。
両手をぱちんと打ち鳴らしてしっかりと「いただきます」をするオカカの手元、なんだか高級そうなマイ箸に目が行く。黒地に金の装飾、散りばめられている赤い小さな楓の葉。
無邪気な「美味い」を聞きながらも、私の視線はなかなかそこから移動出来ずにいた。
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