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「黒がメインなら差し色の王道は金と赤かなって。意外と愛着わいてそのまま使ってるんです」
「うん。すごく格好いい箸だよ」
「ありがとうございます。本当は絵とか写真とか、そういう専門学校行きたかったんですけどね……」
「両親に反対でもされて普通の大学にしたの?」
箸を丁寧に返却する。
オカカの小さな溜め息が、ほんのりとそばから立ち上がる湯気を揺らす。
「その通りですよ。大抵のことは自分で参考書用意して努力すれば身につけられるかな、とか軽く見て。ついでに行きたかったところの近くにすれば、そこに通ってるカエみたいな友達出来るかなーって」
「えっ、私のところに行きたかったの!?」
「はい。ずっと第一志望校に書き続けたところです」
なんてことだ。今すぐに変わってあげたい。
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