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「あのっ」
「ん? ――んぶっ!」
挨拶をしようとしたそのとき、私が干すために持っていたタオルが思いきりその人の顔に向かって飛んでいってしまい、予想通りの状態になる。
「――ッ!? なんだよ……、タオル?」
「あ、あああ、あのっ! すみません!」
「もしかして掴んでくれ的な声だった? つーか、こんな隣と隙間あるんだ。届くかな」
大きなダンボールふたつを横に並べても、ストンと落ちるようなその隙間を挟んだ向こう側。
お隣さんは怒ることもなく笑ってタオルを持った手をこちらへと伸ばしてくれた。
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