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「スゲェ……。僕、同姓同名とかそういうの初めてで、ってか年上だったんですね。タメ口すみませんでした」
「いえいえ、タオルの件もありますし、こちらこそすみませんでした」
彼は歩いて通える場所にある大学の生徒さんで、ひとつ年下。
名前が同じだから「男」という表記に違和感を覚える。なのに写真は私にそっくりだから余計に困惑する。
でも、それは向こうも同じらしい。
「西岡さーん。ベッド組み立てますけど、どこに置きます?」
「あっ、えっと……、その……」
「あの。お引っ越しが落ち着いたらお話がしたいので、インターホン鳴らしてもらっていいですか?」
「ん! ――じゃなかった。わかりました」
クセなのだろうその生返事に笑いながら、学生証を返却し合う。
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