第1章

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「よし、やるか!」 オレの携帯メモリーに登録されている人間は ざっと200人くらい。 オレはズボラな方なので マメに携帯メモリーを削除したりしない。 きっともう 連絡先の変わってしまったヤツもいるだろう。 今も連絡をとりあっている人間なんて ほんの十数人。 とりあえずオレは 最近やりとりをした履歴のある10人に LINEを送った。 5人はすぐに 返事があった。 そのうち1人とは 今から会えそうだ。 オレはすぐに 約束をとりつけて 待ち合わせ場所に向かった。 相手は 高校の同級生、杉村。 何ヶ月かに1回、飲みに行ったりするくらいの 深くも薄くもない関係だ。 さすがに5才児になったオレに杉村は気づかないだろうけど それでいい。 オレが杉村を 見つけさえできればいいのだ。 オレが誰だか分かっていない杉村にタッチして 逃げればいいんだ。 約束の13時。 待ち合わせ場所の駅前に 杉村の姿は まだない。 時間は守るヤツだったんだけどな…。 15分ほどたって さすがにシビレを切らしたオレが LINEしようとすると ! ちょうど 向こうからもLINEがきた。 「今どこ?」 ? もう ついてるんだけど…。 「もう駅前ついてるよ。いつもの銅像前らへん。」 正確には 銅像がよく見える 柱の陰なんだけど。 杉村も もう来てるのか? 辺りを見回すが それらしいヤツがいない。 ! そして 妙な事に気づいた。 5歳くらいの男の子が 1人で 銅像の方の 様子を伺っている。
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