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ノリがよくって、そこそこ顔も悪くないオレは、ガキの頃からまぁまぁモテた。 中学になってちょっとオシャレにも気を使えば雰囲気イケメンの出来上がり。 でも、何となくで始まるグループ交際から抜け出してマンツーでつき合うようになるとさっぱり続かない。 このくらいの年齢はやっぱり女子のほうが大人で、本気の恋愛みたいなものを求めてくるけど、ワイワイするのが楽しいだけのオレには荷が重い。 結局別れて、だけどすぐ次にまた仲間内からつき合うようになって…。 特にオレはノリがいいし、顔はそこそこの雰囲気イケメン。 ホントのイケメンにはちょっと手が出せないけど、コイツならって感じで、まあ、お手頃なんだろう。 ガキっぽい付き合いでちょっとつき合って別れての繰り返し。まあ、チュウくらいはした。 相手の女の子も本気だかどうだかわかったもんじゃないのに、本気の恋愛を求められてなんだか疲れてしまった。 高校に上がっても、オレのポジションはお手頃な男のまま。 1年の前半ですでに2人つきあって。最長20日。 「なんかもう、しばらくつき合うのとかめんどくせー。」 アホなオレにはお似合いのアホなお友達はぼそっともらした言葉に非常に親身になってくれた。 「朝陽(アサヒ)のくせに生意気だな。」 「おー。朝陽のくせに生意気だ。」 「おー。朝陽のくせにインポになれ。」 長谷川の言葉にシンゴと太一が賛同する。 「インポはヤだけど、つき合うのとかメンドクセーよ。どうせ別れるし。」 「インポヤダとかいったって、どーせ使ってねーだろ。」 長谷川がニヤリとわらう。 少数精鋭のかわいい子をしっかりゲットする、普通にイケメンなコイツに言われると返す言葉が無い。 「ちゃんと続く女子とつきあえよ。」 それができたらこんな愚痴なんかもらしていない。 シンゴはいつもテキトーにもっともらしいことを言う。 「どーやったらそんな子とつきあえんだよ。」 ふてくされるオレに、 「そりゃハードルもうけんだよ。」 長谷川がしたり顔で言う。 「ハードルってどんな?」 「『オレとつき合いたいなら毎日弁当&おやつつくって来い』とか?」 「料理好きならそのくらい楽勝じゃね?」 シンゴはやっぱりもっともらしいことを言うだけで全く使えない。
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