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「『つき合いたかったらまずエロいことさせろ』とか言ってみたら?たとえば……。」
下ネタ大好き太一からろくでもない案が提示される。
そして、
「ま、そんだけアホなこと言えば告白してきた子も引くだろうし、んなこと言われるって話が広まればお手軽につき合いたいなんて女子も減るだろうな。」
という結論に至ったお友達会議の内容をオレはノリで実践してみたのだ。
結果、告白してきた子を茶化すようなエロ発言も、オレのキャラではなんだか許されて、アホ馬鹿クズと罵られるのもその場限り。
女子全体を敵に回すことも無く、つきあいたいなんて言って来る子もグッと減った。
エロ発言だって冗談だってみんなわかってるはずだ。
「教室でオナニーショー見せてくれたらつきあってもいいかなぁ~。」
「公園の男子トイレで友だち交えて色々ヤらせてくれたりする?」
「体育館倉庫で…。」
「お前んちでドアあけたまま…。」
「学校の遊具で…。」
「歩道橋で…。」
しかもネタ元は全部太一だった。
◇
3階の予備教室は2つある。
順番にドアを確認すると、一番奥の教室のドアが一つだけ鍵がかかっていなかった。
こっそり覗いてみたが、アイツはまだ居なかった。
適当に椅子にすわってみても落ち着かずにまたうろうろとするばかりだ。
外からは部活の活気ある声が響いてくる。
オレこんなとこでなにやってんだ。
呼び出されたからって素直に従うことは無いんじゃないか?
またいつもの思考のループにはまる。
一昨日のことは何も言わず、脅しもせず、ただ日時を指定しただけの坂崎。
それが逆に不安と悪い想像をかき立てた。
呼び出しに従わなければ、もっとヒドイことになる…。
どうヒドくなるかは想像できないけど、アイツは頭がいいし、写真も撮られた。
でも…。
オレはまだ懲りていない。嫌われたって実感したハズなのに。
もしかしたら、今日、ここであんな写真全部消して『反省したみたいだからもういいよ』なんて言ってくれるんじゃないか?
だって坂崎だ。真面目なのに面白い、いいヤツな坂崎。
根拠の無いポジティブシンキングに希望を見いだし顔をあげたら、すぐそばに坂崎が立っていた。
ドアを開ける音に全く気付かないほど、思考のループにハマっていたらしい。
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