いってほしいと思うのに

３

「『教室でオナニーショー見せてくれるんだったら、つきあっていいよ』だっけ？」

唐突な言葉にフリーズする。

「さすがに皆川のクラスじゃできないだろうから、ここで『身をもって体験』してみせてよ。」
オレのクラスじゃさすがに出来ないだろうからって、そんな気づかいしてもらったところで慰めにはならない。

「やだよ。無理だ。なんでそんな…。」

抵抗の言葉も震えて小さな声しかでない。
下手に希望をもったあとだけに、余計に坂崎の言葉に打ちのめされてしまっていた。

さっきまでにぎやかだった部活の声もオレの耳には全く聞こえなくなった。

キンと耳鳴りがして、何も考えられなくなる。
立ちすくんで、動けないオレの胸を、坂崎が軽く押した。
それだけでガタンと後ろにあった椅子に崩れ落ち、座りこんだところを見下ろされると、オレはもう、抵抗をしても無駄なんだと完全に思い込んでしまっていた。