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柵を握りしめたまま手を引いたところで離れられるわけない。それにも気付かず、こののち解放されるまでずっと柵を握ったままあがいていた。
「歩道橋でヤらせてくれたらつき合ってやるって言ったんだって?」
そう言われて、ドキンと心臓が跳ねた。
坂崎の言葉に心当たりがある。
いや、でも…あれは。
薄く化粧をしだだけでも派手な1年女子のキャッキャとした顔が浮かぶ。
力強い眉が真面目さを感じさせ、全体的にきりりとした坂崎とは…。
「自分が何を言ったのか、身をもって体験してみればわかるだろ。」
そういって、みっともなく覗くオレのモノを背後から握り込んできた。
坂崎の信じられない行動に、パニックが加速する。
まさぐる手を足ではさみこんで動きを封じようとすれば、モノが坂崎の手ごと圧迫されて悶絶する羽目になった。
まるっきり自爆に近い痛みでまた冷や汗が吹き出す。
とっさに開いた足の間で、また、坂崎の手が動き出した。
頭は大混乱、口は『なに?なんで?やだって!』と繰り返すだけ。
やわやわと握り、さすられても、モノは恐怖に縮んでいくばかり。
必死に抵抗をしようとしても、先ほどのダメージを引きずっているため、柵を握り込んだままただアホみたいにケツを揺らすしかできない。
汗でグッショリの背中は覆いかぶさってくる体温をダイレクトに感じさせ、むき出しのケツに坂崎のズボンがすれるのが妙に生なましかった。
首の後ろに息づかいを感じる。
オレは必死の抵抗ではぁはぁと息があがっているのに、なんでコイツは平静な息づかいなんだと、変なところに腹が立った。
ピンクブラウンに染めたオレの髪が坂崎の鼻をかすめると、くすぐったかったのか少し顔をそらすように動いたので、ささやかな抵抗とばかりに頭で顔を押しやれば、逆にあごで耳元を押さえ込まれてぐっと密着するはめになった。
圧迫されたオレの耳に並んだピアスが2つとも首筋にめり込んで、強烈な痛さに涙がでた。
考えなしの抵抗は倍になって自分へ返ってきてしまう。
特にピアスの痛みは強烈すぎて、早くも抵抗をあきらめ始めてしまっていた。
これからどうなるのかわからないけど、さすがに刺されたり、殺されたりとかはないと思うし。
大人しくしていたほうが早く解放されるかもしれない。
そんないいわけで、この状況から抜け出せない、ヘタレな自分を慰めるばかりだ。
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