作家に対するあやふやなイメージで遊んでみる

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むかし、 壇一雄のご息女で女優の壇ふみ女史と 坂口安吾のご子息の対談を 何かの雑誌で読んだ中に、 面白かったので何となく 覚えている話がある。 だいぶ昔のことだから 細かい所はうろ覚えで、 恐らく事実と違っている所が 多分にある筈だ。 が、飽くまで私の中で勝手に醸成された 作り話と了解して読んでもらいたい。 太宰治が、 どこかの旅館で遊蕩し、 金が尽きて家人に連絡して 編集社に稿料の前借りを頼み それを友達の作家の壇一雄 に持ってこさせた。 壇という男はどういう男なのか、 この愚かな友達の為に わざわざ使い走りのような真似をして 旅館に金を持っていった。 が、普通の人なら金と引き換えに、 太宰に一言二言説教してやろう、 くらいのことは思っていたにちがいないのだが、
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