第1章

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「巻き込んでゴメンね………」 ずっと、逆だと思っていた。 あの先輩が、わたしの知り合いだった為に凪子を巻き込んでしまっていたと、 ずっと、 そう思っていた。 「事件のこと、忘れるなんて出来ないけど、 犯人達よりも、 西川くんよりも、幸せにならなきゃって、 やっとそう思えるようになって」 凪子が、 掴んでいた私の手を優しく振りほどいて、 そして、 同じように傷を付けた手首に軽く触れて、 「もう、絶対に繰り返さない。 葵も約束して」 朴さんと同じように、 過去の私をそっと、戒めた。 その濡れた頬を、子供みたいに微笑んで見せる凪子は、 昔、私が憧れた、 カワイイ高校生の凪子だった。 「本当なら面接に遅刻なんてあり得ないんだけど?」
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