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「じゃあ、さ。変身してみてくれよ。デビルマンになったら、信用するよ」
俺の軽口に、それまで口を一文字にキツク結んでいた親父は、少しの間考えていたが
「まあ、そうするしかないか・・・」
呟いたと思ったら、おもむろに立ち上がった。
「あんまり大きいと、家が壊れるからな・・・まあこのくらいかな・・」
何やら体を伸ばしたり、ひねったりした後に、拳を天井高く突き上げ
「ディヴィール!!!」
と大声を張り上げた。
は!?なんだ!?何が起こった??
親父の体が光に包まれ、眩しくて目を開けていられない。
その光がやっと収まったと思ったら、今まで親父がいた場所には、親父と同じくらいの身長の緑色の人間・・・には見えない、頭になんかついてるし・・この姿がデーモンなのか・・?が、いた。
「どうだ?」
仁王立ちする親父をまじまじと見つめ・・出た感想・・
「なんか全身アートのプロレスラーみたいなだな・・・」
この間テレビで観た、全身にペンキを塗る、ボディペイントだっけ?
あれじゃないのか?
「おいおい・・これでも地球のために戦ったんだぜ。俺、強いんだぜ。トウ!ヤッ!!」
「親父、いい年して暴れるなよ。デビルキックとかデビルチョップとか披露されても・・・もう足とか上がってないし・・・」
「うむ・・年には勝てんな・・ったく人間の身体っていうのは不便だよな・・」
デビルの姿なんだから、そこ人間関係なくね?って思ったけど、黙ってることにした。
こんな年になっても親父はキレるとたちが悪い・・・。
すぐにベルトを引きぬいて、鞭のように操りいたぶろうとする。
こうなると、母さんが「絶交よ!」って叫ばないとやめないんだから・・・
「で?デーモン族に支配されると、俺も変身するのか?」
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