はじめに

4/6
前へ
/7ページ
次へ
 俺の素朴な質問に、親父は大真面目な顔で頷いた。 「お前の場合は変身じゃない。デーモンそのものになってしまうだろう。 おそらく、人間の容姿を保っていられなくなるんだ。ただし、中身は人間だ。俺の逆な・・」 「なんだそれ?ずりーな!!見た目デーモンで中身人間とか・・ただの緩キャラ、もとい怖キャラみたいなやつかよ!?」  声を荒げる俺にかまわず、飄々とした態度で、うんうん頷くばかりだ 「だからな、精々デーモン族に支配されないように、精神をしっかり持てよ!」  そう締めくくると「美樹~?デビルマンだぞ~懐かしいぞ~」と言いながらスキップして出て行った。  俺は一人残され、考えた。デーモン族・・?おもしれじゃん・・・デーモン族の外見ってどんなのだ?  親父みたいなやつか・・?ちょっと面白いかも・・それに、親父が言ってたことが本当なら、地球を守るほど強かったなら、地球を支配することもできるってことだよな・・・  俺はニヤニヤする顔を抑えることができなかった。  それからの俺は、どうやって人間界を支配しようか考えた。  それには、とりあえず俺がデーモン族に支配されなければならない。しかし…一体どうやって?  親父は精神がデーモンに支配されてしまう。と言っていた。  俺は天に向かって両手を広げた 「さあ~来い!デーモンよ!支配するがいい!!」 「おい、不動・・お前・・相変わらず中二病だな・・・」  おっと・・ここは学校。しかも今は授業中だった・・・ 「いや・・俺は・・中二じゃなくて・・」 「わかってる。お前はもう高校生だ。いい加減、そういうのは卒業しないとな・・・」  先生だけじゃない!周りの奴らの眼差しが生暖かくて・・。  俺は頭からつま先まで真っ赤になって縮こまった。  くそっ!  親父のせいで、とんだ赤っ恥をかいたぜ・・・  学校からの帰り道、俺はどうしたらデーモン族に支配されるのか考え続けた。  親父は言った「精神を強く持て」と・・・
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加