第1章

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華園姫花 何なの!?何なの!?何なの!? もう何だって言うのよ?? 凪なんか死んでしまえばいいのに。私はもう夏海凪を愛していない。だけど、離れるのが怖い。 ここ3年間、ずっと彼のために生きてきた。私の家の映画館で手を握り合いながら、2人でしょっちゅう恋愛ものの映画も観たし、ハロウィンの日には『44日の金曜日』も観た。 凪はバカみたいにホラー嫌いでジェインスが首を跳ねるシーンなど泣き出す始末だった。 あの愛おしい凪はもういない。 ニヤニヤ笑いながら夏の太陽の元へ晒された私の突起を捻る男はジェインスで泣いたあの凪ではない。 冷徹で独りよがりな強姦魔だ。 お姉に早く相談しないといけないのは分かっている。 愛してない人との子供なんて悍ましいだけだ。 私は破顔したまま、凪の頬にビンタを食らわせた。 凪が下卑た笑顔を引っ込め、一瞬だが、寂しげな顔をする。 私はハッとした。 まさかあのバカな凪が私を死なせないため、私に嫌わせている?側に置いておくのもただ私が好きだから? 凪はいきなり私の髪を持ち上げた。千切れるかと思うぐらい凄い力だった。 私は惨めに凪の手に爪を立て、抵抗するが、凪はそのまま3本程、私の髪の毛を千切った後、私を車椅子に乱暴に戻した。
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