第1章

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華園姫花 私、何でこんなヤツらに弄ばれてるの? 何で足、動いてくれないの? 大声で助けを呼ぶ声もないなら、せめて足ぐらい動いてよね! お姉、助けて。 涙が頬を濡らし、口の中で塩辛く染みた。どこかで口を切ったらしい。 そんなのおかしくも何ともない。 ヤツらは私への暴力で性的快感を得ている。 お姉に前、凪に頬を殴られた時の怪我を見られた際、《階段から転んだの》とB5用紙に書いた。お姉は呆れた様子で私の頭を軽く小突いた。 「お姉は仕事で手いっぱいなんだから、無駄な心配させないでね」 それを思い出す度、心が痛む。お姉が知ったらリーダー格の勇馬なんか半殺しどころではない。凪も元彼の原型を留めていなかったりするから、お姉は激怒するだろう。初に関しては不気味な物を感じる。まるで混ざらないと〈SEAブラザーズ〉のメンツに入れないからやっているだけのようだ。 私はヤツらからしたら玩具に過ぎないんだ。 若神父様が私達にようやく気付いたような顔をした。実際、自分の世界に浸り過ぎて現実が見えていないのだろう。 「教会内での破廉恥行為は慎みなさい」 勇馬が凪に悔しそうに一瞥する。何が悔しいのかサッパリ分からなかった。
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