第1章

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カルムの手紙2 姫花、愛してる。心の底から愛してる。誰よりも深く愛してる。狂おしい程愛おしい人なんかお前以外にもう二度と現れないだろう。 今の俺は愛されることを拒絶するが、なあに、呪いさえ解けばいいんだろ? 俺が解いてみせるから、姫花は今のまま俺を縋っていいんだぞ? 愛しい姫花。 ブロンズの髪の色と赤いハイビスカスのよく似合う女性。 お前の側で愛の唄を歌いたい。初めて遭った季節に戻りたい。またシアターで泣いたり笑ったりしたい。 姫花のためなら死ねる。だから、もし、姫花が俺のこと再び愛してるのに気付いたら、先に俺は逝くよ。そうすればお前は死なないもんな。だから、安心して、俺のこと愛していいんだぞ? 華園姫花、俺はお前に身を捧げる覚悟ができている。 いつも酷い目に遭わせてゴメンな。 好きだからやってるんだぜ?もちろん。 勇馬や初もお前のこと、気になってるようだ。その内、お前を欲しがるだろうな。お前の心は俺のものなのに。 大丈夫。 絶対、お前は死なせないから。安心して俺を憎むなり愛するなり適当に扱うなり好きにしろ。 これがカルムの手紙だ。 伝えたかったのはただ一言。 永遠に愛してるよ、華園姫花。
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