第2章

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華園姫花 凪からの暴行より、もう一人では立ち上がれないし、意思疎通は紙に書くか手話を習うしか方法がないと知ったショックの方が大きかった。 私は今まで人に目を付けられないよう生きてきた。 それだけが取り柄と言っても過言では無かった。 学校で日直を任せられた時、言われたままにやったし、少しでも間違っていれば、直ぐに取り消した。 好きな人に恋人ができたのを知っても、落胆よりその人の幸せを想うと嬉しくなって、素直に引き下がった。 友達も出来るだけ可愛いのが取り柄の子を選んだ。 少しでも入れ違いがあれば、直ぐ様謝った。 純粋でシャイで人に従順な女の子を演じることで並程度の男性と結婚し、並程度の家庭を築けると本気で信じていた。 それなのに、今、〈SEAブラザーズ〉の玩具として痛みつけられている。逃げたいのに足がまるで石で出来ているようだ。 凪と一緒にいると落ち着く。 だけど、もう愛せない。 側に居たいのにハリネズミのように近付けば近付く程、傷付く。 夏海凪はただの強姦魔だ。 それでも私はカルムの手紙の2枚目を生き甲斐にしていた。 純粋な愛情に酔っている私の愚弄さに驚き、呆れ果てるがいい。 私の心を壊す手紙なんていらない。
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