第2章

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地下は〝バーチュ〟から発せられる腐敗臭で息が止まりそうになる。明らかに〝それ〟は腐っていた。 山羊の片足と胴体と楽我の顔と首に無数の蛆虫が集っている。山羊・ゼンと人間・楽我は血の糸で繋げられていた。 定期的に肉料理を食べさせる。 何故か〝それ〟は肉料理しか受け付けなかった。 《剣よ、今日あったことを報告せよ》 「カルムの手紙を凪自身が破ったらしいです。それで姫花が珍しくお怒りで凪自身、まだどういうことか理解していないという見解ですね」 《カルムの手紙は3人、夏海凪に成りすまして華園姫花に送っている。呪いを解く鍵を渡してもいいのだが、我自身、人の苦悩は大好物で神の怒りに触れるのが待ち遠しいのだ》 刺青師は困ったように笑った。 「素直に怖いと言えないのですね、〝バーチュ〟」 《館から何を見つけた?》 「見つけたくない物を見つけました。諸熊もまさか私がやったとは思わないでしょう」 トイレの洗浄水が流れる音がする。 「食べられませんでしたか?アスパラガス」 《お主と我は生き写し。似た物を好きになる》 「諸熊は好きですか?」 〝バーチュ〟はカラカラと笑った。 《奪いはしない。我からの最高のプレゼントだ》
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