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刺青師剣
私の教会には曰くがあり、それに背いた父上は若くして心臓発作で死んだ。医者や警察が首を傾げるような死に方だった。まるで猛獣に心臓だけを喰われたかのようにズタズタに引き裂かれ、内部破裂していた。
39歳だった。
私は人の出入りの少ない酒嬢教会の跡取り息子として、17歳という若さで神父になった。学校とは縁の無い私でも神と繋がっているという意識で高知な新領域に這い上がった。
神との会話は複雑である。
時に私は神とは何か問うた。
夜の白樺がしななき、葉が騒めく中、彼はこう答えた。
《人が神を認識するのはその人が神を作り出す完璧無欠な存在だからに過ぎない》
私は髪の色をまた赤く染めなくては、と思いながら、神の吐息に触れる。私の身長では手が届かなかった。
「貴方に名前はあるのですか?人が完璧無欠なら何故、悩み苦しみ果ては自殺するのですか?」
神は獣と人間を合わせた形を催しているように私には見えた。
《刺青師剣(イレズミシツルギ)よ。我が名は其方の血が知っている。其方の父上、楽我(ラクガ)は私を拒んだ。そういう者達を私は自分の価値を忘れた〝ゲーム権失格者〟と呼んでいる。神の言葉として相応しいか検証せよ。〝自殺する者はゲームオーバーを楽しんでいるのだ〟》
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