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「諸熊、ご苦労。私が興味のあることはあの館で何が起こったか読むことだ。それについては諸熊の方が得意だろう。付いて来てくれ」
刺青師の穏やかな瞳にたまに浮かぶ戸惑いや押し隠し切れなかった不安が私には狂おしく愛おしい。
「ちょっと遊んでいかない?お姉さんと」
刺青師は無表情のまま、私に抱き付いた。私の柔らかな胸が刺青師の頬に当たる。
刺青師はしばらく私の心臓の鼓動を聞いているようだった。
「これぐらいで許してくれ、諸熊。貴女が愛おしいと同時に不道徳的な行為は許されないのです」
私は可笑しかった。
「悪徳神父の口から出る台詞でなくてよ?教会のため私に盗人をさせているのが現実。少しは悦ばせて頂戴」
刺青師は強引に私を教台の上に押し倒す。そのままユックリとした動作で服を脱がし始めた。
まず、オレンジのワイシャツから。次に軽やかなジーパンを。
刺青師の呼吸が荒くなり、苦しそうに息を荒げていた。
胸のラインと尻のラインをなぞり、下着を堪能している。
私の喘ぎ声と刺青師のゼーゼー喘ぐ声と合わさって一つの楽器になった気がした。
真夏の夜、私達は一つになった。
汗の匂いと香水の匂いが混じってクラクラ歪む陶酔感に身を任せた。
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