終わらず、始まった

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終わらず、始まった

 これが全てのはじまりだった。  この少年、目とサングラスの隙間から、大きなサカナが飛び出している。そう、海や水辺にいる魚だ。それに触ると、生物はサカナになってしまう。この少年の身体は全身、サカナだらけだ。  試しに、靴と靴下を脱いで、大地に立った。アスファルトもコンクリートも砂も土も全部、魚になった。マグマが噴き出してきた。マグマもすべて、魚に変わった。  地球が、サカナになった。       ― おわり ―
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