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ぶるっと身体を震わせて、ブランコから離れてテラスに戻る。
取りあえず、カーディガンだけを羽織り、懲りずに、またそこでウィスキーのソーダ割を飲みだす。
用意していたつまみも食べながら、ひたすら時間の経過を待つ。
やがて夜になり、もう何杯飲んだかなぁって考える。
前には、静かな庭。
後ろにも、やっぱり静かな建物。
辺りはすっかり暗くなって、
「くしゅん……っ」
って、くしゃみしても心配してくれる人なんていないし、この超薄着露出状態の私に突っ込みを入れてくれる人もいない。
ああ、一人。一人―…独り……
この孤独を選んだのは自分自身なのに、素面じゃない、こんな星の綺麗な静かな夜はやけに孤独を感じる。
何か―…
「この寂しさを埋めてくれる何かがあればいいのに―…」
そんな言葉まで口に出してしまった瞬間、
夜空に流れ星が光ったこと、気付かなかった。
だから、彼は現れたのですか?
姿を変えて。
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