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棲む蝶々~remember me~Ⅰ
夕暮れの前。
タイルテラスの上に敷物代わりに広げた白いシーツに座り、手にはウィスキーのソーダ割り。
ゴクゴクゴク、と真夏に飲むビールみたいに喉に流し込む。
「やっぱ、コレがなきゃテンション上がらないねーっ」
カラン、とグラスに残った氷を揺らし、そんな言葉を吐いてみる。
「もう一杯、もう一杯~」
白いガーデンテーブルに置いたボトルを手に取って、空いたグラスにウィスキーを注ぎ、ソーダで割ってお代わり完成。
これもまた、ゴクゴクゴクと飲んでしまう。
「ぷは~っ……!」
だからビールじゃないって!って一人突っ込み。
そんな飲み方してたら、
「ふふっ」
ああ、やっと気分上がってきた。
ほろ酔いって気持ち良い。
虚ろになる瞳が夕暮れの太陽の光を感じると、あちこちに無数の光が浮かんでくる。
それはまるでスポットライト。
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