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それから、大学で僕を見つけるとテンプルは犬みたいに懐いてきた。
「誰あれ」
「さあ?」
「おいテンプル講義に遅れる」
僕に話しかけるテンプルを、あまり良い顔をしない友人たち。気にしていない様子の彼をつい邪険にしてしまった。
「天が冷たい」
「優しくした覚えはないよ」
「俺のこと好きだからって照れないでよ」
「は?何言――」
「今度の飲み会、天もおいでよ」
けれども彼は、あの時みたいににっこり笑うと友達の輪の中に溶けた。
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