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その何日か後に僕は強引なテンプルに誘われて飲み会に参加した。
「ちょっ、テンプル……っ、飲みすぎだよ?」
「んー?天がいるからだいじょうぶ」
へらりと笑う彼を、何が大丈夫なんだか……そう思いつつ隣で見上げる。
「テンプルこっち来いよ」
「ああ、うん。――天ちょっと待ってて」
「行って来なよ。僕のことは気にしなくていいから」
飲み会はテンプルの友達が大勢いた。顔は知っていても口を利いたことのない人達ばかりで、お酒のあまり得意じゃない僕はいつもみたいにひっそりと隅っこでアルコールを舐めていた。
「二次会やっぱカラオケ?」
「だな」
居酒屋を出た僕は盛り上がるテンプルの輪を眺める。このまま帰るつもりで彼に声をかけるタイミングを探していた。
「わりー!俺、二次会はパス」
「……っ?!」
ふわりと肩を抱かれて、そう言って笑うテンプルを気まずくなりながら見上げた。
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