問題と4人の男女

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「野球をするとき、必要な物」 「3文字ですか?それならバットだと思いますよ」 「おっ、マユリちゃんたぶんそれ正解」 「どう見ても簡単な問題じゃねぇかこれ」 学校の放課後、4人の男女が机の周りを囲んでいる。 机の上に広げられた本を、シャーペンを持ちながら見つめていた。 クロスワード。 空欄を埋め、そこから答えを導く遊びだ。 最近学校で流行っており、4人もまたその流行りに乗ってやっている。 「マユリちゃん、じゃあ次も解いちゃおうよ」 茶髪のピアス少年、エイジが笑ってそう言う。 隣に座る眼鏡の少年、アオイがむすっとした表情でシャーペンをクルクル回す。 エイジの正面には黒髪のロングヘアーの少女マユリが座り、その隣にはわくわくしながら問題を読む青眼の少女イオリがいた。 4人はいつも共に過ごす友達だが、この日は次第に様子が変化していく。 それは、この問題の空欄を埋めた時に始まった。
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