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エイジがゴクリと生唾を呑んで黙ったのに対し、イオリの口からは不気味な笑いが溢れ出ていた。
冗談にも程がある、そう小声で言いながら。
「この本、持ってきたの誰?」
アオイがそう聞くと、エイジがゆっくりと手を挙げる。
だが、エイジの持ち物でもなかった。
「落ちてたんだ、校舎に……」
この学校の本校舎の裏、今は使われていない旧校舎で拾ったという。
学校では、大きな事件から小さな事件が起こったこの旧校舎に出入りすることは禁じられていた。
しかし興味本位で忍び込み、エイジはこの本を見つけたという。
「でも、それでもおかしいですよ!!名指しで誰かが死ぬって書いてある事が……!!」
いつもは大人しいマユリも、今は平静を保つことが出来なかった。
仲間が死ぬ、友達が死ぬ。
そんな事漫画じゃないのだから、あっていいはずがない。
だけどそんな4人を嘲笑うかの様に、クロスワードのページに何かが書きこまれる。
血だ、血で書かれた文字だ。
『ゲームしようよ』
4人に巻き起こる惨劇。
これが全ての始まりだった。
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