バターフライエフェクト

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 あちち……。はふはふ。  うむ、旨い! 外はさくさく、中はしっとり。滴り落ちる濃厚なバターが口の中でふわっと広がり、鼻孔をバターの豊潤な薫りが駆け抜ける。最高だ。最高だ……!  どうだ。これがバタフライエフェクトである。  100メートルほど疾走し、中指と小指をくいくいと動かす。こんな蝶の羽ばたきで起こる風ほどの小さな出来事でも、138億年ほど待てば地球ができ、バターが揚がるというわけだ。  これを読んでいる君達人間にはこの言葉を贈ろうと思う。  これがすべての始まりだったのだ。  誰かに言わされた気がするが、気のせいであろう。  何と言っても私は全知全能の神様なのだから。   Fin.
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