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その動きを見慣れた横沢がホッと息を付いた。
「そうなれば、2、3時間は大人しいはずだ…詳しく話すから座れ」
そう告げられて、四禮は一花の身体から横にずれ、ベットから降りるとそのベットを背に座り、辺りを確りと見回す。
「ひでえありさまだな」
窓が割れ、段ボールで補修された形跡もあるし、床は散りばめた雑誌で散乱していた。
横に有ったバイク雑誌をスッと手を伸ばし指先が触れる寸前で横沢が伝えて来る。
「あぁ…酷かった…あ、澪時そこら辺の移動すると一花が起きるぞ?」
「そうか…」
溜息を付き、修理代掛かるなと頭で考えながら四禮が横沢をジッと見つめた。
その視線に気付き、持ち込んだバックから茶のペットボトルを二本出すと一本を四禮へ渡す。
「あぁ、解った話すよ…」
一花とドラックストアで出会った横沢だったが、学校をしばらく休む事をその場で告げ帰って行った。
そうなれば、真中に連絡を入れなければならないとその場で、電話をして経緯を話せば、真中は話を聞きに行くと言い張ったのだ。
既に日は沈み、暗くなっている中で真中を一人で行かせれる訳もなく、横沢も待ち合わせして行く事で決定した。
恐らく行先は四禮の家だからと一緒にお宅訪問をして、一花と話をする事に成功したとの事だった。
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