血濡れの守り手②

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―――――――― 何かに夢中になっていると時間はあっという間に過ぎてしまう。 子供たちと遊んでいたら日が暮れる時間まであっという間だった。俺とスライは学院の寮に戻らないといけないため、急いで帰り支度をする。 トゥラが言う。 「……泊っていかない、の?」 「うん。外泊したら駄目だって先生に言われてて、寮に帰らないといけないんだ」 「そっか。……」 「寂しそうな顔するなって。またすぐに会いに来るよ」 そう言って頭を撫でてやる。すると垂れ下がっていたトラ耳がひょこっと立って表情が少し明るくなった。 「今日はありがとうね。また来ておくれ」 「こちらこそ、ありがとうございました。また来ます」 リーバとスライが別れの言葉を交わし、俺たちは玄関を出た。 「子供たち、元気そうでよかったですね」 「ああ。そうだな。……」 「浮かない顔ですね。やはりあの子たちやシスターのことが心配ですか?」 「ん。まあ、そんなところかな」 この孤児院は大きな問題を抱えている。俺にできることがあるとしても、ほんのわずかしかない。 すべてはIキラの動き次第。それによって俺も動き方を変えないといけない。 「……? あれは一体なんでしょう?」 「ん? どうした」 「あれです。門のところ」 スライが指差した方向に目をやる。 俺たちが抜けようとしていた教会の開いた門の前に見知った3つの人影があった。 ホークスとワンシ、それにアネ。 3人は何やら険しい顔つきで話をしていた。 「近寄りがたい雰囲気ですが、いかがされますか?」 「……普通に通る。わざわざ遠回りしてここを出る理由もない」 俺はさっさと通り抜けてしまおうと少し早目の歩調で歩いた。門に近づくと3人も俺たちに気付いたようだ。横を通り抜けようとしたところでワンシがアネとの会話を中断して、俺たちに声をかけてきた。
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