第1章

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遅いなぁ…。 私は待ち合わせの場所で待っていた。 既に約束した時間が過ぎていて、ソワソワする。すっぽかされたのかな、とか色んな思いが巡る。 私達、連絡先も交換してなかったんだよね スマホを見つめてる私の前に人影が。 「悪い!」 顔を上げると、汗だくな桜井が息を切らしている。 「桜井…」 良かった、来た…と安堵する。 「あのさ、連絡先教えてもらっていいか?!マジで焦ったわ…」 桜井は、ため息をついて私を見た。 「あ、うん…私も思ってた…」 なんでそんな汗だくなのか、聞くと、時間に間に合わないかもしれないことと、中々私を見つけられずに焦ったんだとか。 …桜井って意外とクールに見えて、全然違うんだよね だから、思わず笑ってしまう。 「笑うな」 「桜井くん、そういうキャラのが絡みやすいからいいよ」 「…褒めてねーだろ」 褒めてるよとそんな会話をしながら私たちは映画館へ。 ザ定番なデート。デートじゃ、ないけど…
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