第1章

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「何観るの?」 「決めてない。お前は何か観たいもんは?」 私へと振ってくる。私への気遣いなのかな、 「…んー…」 映画の看板を見比べて、暫く考え込む。桜井はそんな私を急かすことなく待っていてくれた。 少し意外だった。 恋愛物もあるなか、私、どっちかというとファンタジー系、アクション系のが好きなんだよね 多分桜井もその方がいいよね 「じゃあ、コレ」 洋画アクション系を指差す。 桜井は私を見てきた。 「…何ですか」 「嫌、女子は恋愛物選ぶと思ってたから」 「駄目なんですか」 「嫌。観たかったからラッキーだよ」 桜井は笑って列に並び出す。 私も後を追おうと歩こうとしたら、お前はアッチと食品の方のレジを指した。 「俺、ジンジャエールね」 「……」 有無も言わさず、私は仕方なく食べ物のレジへと向かった。 …もしかして映画代は払ってくれるのかな 飲み物代を私に払わせる骨端なのかもしれない
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