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「何観るの?」
「決めてない。お前は何か観たいもんは?」
私へと振ってくる。私への気遣いなのかな、
「…んー…」
映画の看板を見比べて、暫く考え込む。桜井はそんな私を急かすことなく待っていてくれた。
少し意外だった。
恋愛物もあるなか、私、どっちかというとファンタジー系、アクション系のが好きなんだよね
多分桜井もその方がいいよね
「じゃあ、コレ」
洋画アクション系を指差す。
桜井は私を見てきた。
「…何ですか」
「嫌、女子は恋愛物選ぶと思ってたから」
「駄目なんですか」
「嫌。観たかったからラッキーだよ」
桜井は笑って列に並び出す。
私も後を追おうと歩こうとしたら、お前はアッチと食品の方のレジを指した。
「俺、ジンジャエールね」
「……」
有無も言わさず、私は仕方なく食べ物のレジへと向かった。
…もしかして映画代は払ってくれるのかな
飲み物代を私に払わせる骨端なのかもしれない
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