第1章

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そして映画が始まり隣同士に座る。当たり前だけど、一瞬ドキッとした。 既に、桜井は注目の的のようで色んな所から声がした。そんな桜井の隣を歩くのは本当に勇気がいる。 私なんかが、隣にいていいのかな… 「やべー眠くなってきた」 桜井は欠伸してそんなことを言う。 「え、ちょっと寝ないでよ」 「んー分かんねーな、そればっかりは」 「はー?そっちが映画にしようって言ったんじゃ」 「寝ちゃったらココ貸してな」 こてんと私の肩へ寄りかかってきた。 「だっ、バカじゃないの」 桜井を振り払う。 「ほら始まるよ」 桜井は気にする素振りもなく座り直した。 ちょっ、なんなの、コイツ…! 今日の桜井、おかしくない?! * * * 「あー面白かったー!」 ぐーっと伸びながら桜井は満足そう。 一方の私は……。
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