第1章

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一瞬、眉をひそめた桜井。 けど、何も言わずに、階段を降りていく。 なんか、不思議なんだよね こうして一緒に出かけたり帰ったりするの 未だに、慣れない 私の隣はずっと、奏多だったから… 席には座れなくて、ドア付近に立つ私たち。何か喋るっていう訳でもないし、ただボーッと外を眺める。 「……」 桜井も外を眺めているようで、ガラス越しに見える。 ふと、ガラス越しに目が合う。 すぐに下を向いて逸らしたのは桜井。 視線を戻して、桜井を窺うと、少し照れてるようにみえる。 え、なんで? 「…桜井、くん?」 腕組みする桜井は、私を見た。
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