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何も言わない桜井は、結局目を逸らして、無言だった。
変な桜井…
「じゃあ、私次だから…」
「おう…」
桜井のことだから、送る、と言ってくると思ったけど何もなく
手を振って、別れた。
一人、最寄りの駅を降りる。
「何、寂しいなんて思ってるんだろ」
思わず零れる独り言。
「加乃…」
いきなり呼ばれて、ビクッと体が震えた。
桜井?と思って振り返ってしまった自分がいる。
「お前デート?」
そう、からかってきたのは、奏多だった。いるはずなく、急に現れるからどもる。
「か、な…」
もしかして、見られた?
「……」
部活鞄を肩から下げる奏多は、部活帰りだろう。それ以上追求してくることなく、隣に並んだ。
なんか、いつも以上に気まずい気がする
「あ、あのね、奏多」
「遥希から聞いてるから知ってる」
「うん…そうなんだけど」
なんて、言ったら良いのかわからない。
私は、奏多に何を言ったら良いんだろ
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