第1章 密室

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「お亡くなりになった拓也さんと高野部長はどんな間柄でしたか?」 「高野部長ですか?まあ、ただの先輩、後輩ですが 何か?」 「二人の間にトラブルのようなものは?」 「聞いたことがありません」 「わかりました。ありがとうございます。いや、気にしないで下さい。一応、皆さんに聞き込みをしてまして」 言葉とは裏腹に有無をいわせない迫力を感じた。 佐川は高野部長を疑っているのだろうか。しかし、なぜだ。高野部長は温厚でリーダーシップがあり部内をまとめている。後輩の面倒見がいいので葉山はもちろん部内の誰もが演奏の相談をしたりというフランクな関係だった。奈々も就職の件で相談していると前に言っていたぐらいだ。 「・・第一、拓也は事故死でしょう?拓也はスタジオ内で1人で倒れていたんですよ」
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