ポスティング

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それもそうだ。相手が出たら代わってもらえばいいのだ。 今更非通知にしたところで相手に番号は知られてしまっている。番号通知のままでかけることにした。 耳にスマホをあてたまま警官の顔を見ていた。相手が出たらすぐに代わってもらうつもりだ。 バイブ音が聞こえた。警官の携帯も鳴りだしてしまった。 ちょっとと玄関の方へ歩みを寄せた。彼が戻るまで話を繋がないといけない。すぐに戻るはずだ。 『はい。高橋さん。』 やけに近くで声が聞こえた時に気が付いた。 警官は携帯を耳にあて玄関のカギをかけ、こちらへ歩いてくる。 「奈津さん。部屋に入れてくれてありがとう。 人をすぐに信じると危ないですよ。警察手帳見せましたっけ? アハハハハ。」 部屋から出られなくなって1か月。 手錠で浴室のシャワーに繋がれた。大きな声を出しても助けは来ない。 食事もトイレも全てここで行わなわなければならない。 個人情報を無造作に捨ててしまった。 あの日入っていたチラシにムカついた。 不用意に携帯番号を知らせてしまった。 長く続く監禁生活。  これが全てのはじまりだった。 Start
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