ポスティング

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『はい、〇〇便利屋サービスです。』 中年くらいの声の男が出た。 「ちょっと、毎日ポストにぎっちりチラシを入れられて困っているんですけど。」 それで誰だか分かるだろう。 怒りに任せ文句を男に言い放つ。相手は黙って聞いていた。 「いいかげんにしてください。今後こんなことがあると警察に相談しますから。」 相手は黙っている。もう文句も言ったから切ってしまおうとした時に向こうから笑い声が聞こえた。 『高橋 奈津さん。お電話ありがとうございます。 あなたからの電話お待ちしておりました。思ったより早かったですね。』 名乗っていないのに私の名前を知っている。すぐに月曜に捨てたダイレクトメールが思い当たった。 もしかして拾われてしまったのかもしれない。しかも私が捨てたのを見ていたのだ。 いつもは必ず個人情報を消していた。
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