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しばらく後――。
「やあ、兄弟」
明るい笑顔で
ビデオ電話の向こうに現れたのは望だった。
「やあ、望お義兄様。どうだ?そっちの暮らしは快適か?」
鎌をかけるつもりだ。
征司は何事もなかったような口ぶりで
親切にご機嫌伺いを装う。
あの天宮征司がだ。
それ自体
おかしいと思えよ――。
「ああ、お陰様で。なんて言うの……?とってもファビュラスな暮らしだよ」
しかし
心臓は治しても
間抜けな中身は治らないらしい。
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