episode170 感染者たち

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そしてきっかり 10分が経った頃――。 「ほら、きた」 征司の予想通り 手元の携帯が鳴った。 「もしもし」 「ごきげんよう、征司お兄様」 大間抜けにも 不良娘はフロリダ――いやカリフォルニアにいるフリして電話してきた。 「皆さんお揃いなの?一体僕に何の御用かしら?」 ビデオ電話の向こうには。 風呂上がりの演出か。 白いガウン。 艶めく黒髪から滴を滴らせ 妖艶に微笑む和樹がいた。
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