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そしてきっかり
10分が経った頃――。
「ほら、きた」
征司の予想通り
手元の携帯が鳴った。
「もしもし」
「ごきげんよう、征司お兄様」
大間抜けにも
不良娘はフロリダ――いやカリフォルニアにいるフリして電話してきた。
「皆さんお揃いなの?一体僕に何の御用かしら?」
ビデオ電話の向こうには。
風呂上がりの演出か。
白いガウン。
艶めく黒髪から滴を滴らせ
妖艶に微笑む和樹がいた。
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