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「ごめんなさい、九条さん。僕には言葉の通じない時があるの」
女優みたいにツンとすまして
和樹は赤い唇を尖らせる。
ハンサムな恋人は
それを聞くとしばし祈るように瞑目し
「だったら今、もう一度言うからよく聞いて」
提案するように人差し指を立てた。
「僕らのやり方が気に障ったのなら謝るし、これからはもっと君に分かるように話をするって約束する」
この人はやはり
忍耐強い。
「だから今、どこにいるか教えてくれないか?」
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