episode170 感染者たち

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「ごめんなさい、九条さん。僕には言葉の通じない時があるの」 女優みたいにツンとすまして 和樹は赤い唇を尖らせる。 ハンサムな恋人は それを聞くとしばし祈るように瞑目し 「だったら今、もう一度言うからよく聞いて」 提案するように人差し指を立てた。 「僕らのやり方が気に障ったのなら謝るし、これからはもっと君に分かるように話をするって約束する」  この人はやはり 忍耐強い。 「だから今、どこにいるか教えてくれないか?」
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