同好の士

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「いやあ、素晴らしいものを見た!次のお題にいきましょう。男性陣、元気を出して。【胸】です。ココ大事です、試験に出ます」 試験などないが、このままでは助平顔の沽券に関わる。 作造さんが張り切って手を挙げようとすると、夢見るような瞳の青組のマキさんに先を越されてしまった。 「【掌】たなごころですわ。殿方の、あの温かくて乾いた大きな掌に包まれる幸せ……」 マキさんは今にも空の彼方へふわふわと飛んでいきそうだ。 ムムッと、作造さんが【拇】の字を高く掲げた。 「おやゆび。見なさい、わしのこの変幻自在の拇」 作造さんは、前後左右に拇を操って見せた。 うんうんとアオイが頷いた。 「他にはありませんか?」 「ハイ」 タツコさんが再び攻めに出た。 「【爪】です。胸は女性のものだけとは限りません。想像してみて下さい。真っ赤な爪に翻弄されたいとは思いませんか」 「【爪】に3000点」 アオイはしっかりと妄想したらしい。 助平顔のおじさんよりは真っ赤な爪の熟女のことを。
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