多忙で呆れる劣等生

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そんなことを力無くぼやいていると、突然というか必然というか、インターホンの呼び鈴がけたたましいほどに響いてきた。 少年は、腰あたりに掛かった布団を持ち上げ、深々と被り潜ると、 「次は、ピンポンラッシュとは、ご迷惑主義にでも目覚めちまったかな…」 と呆れ果て、溜息をもらす。 三十秒たったあたりだろうか、無視をし続けたことが功を奏したのか、呼び鈴がピタリと止んだ。 けれど、安堵する気にはなれなかった。 なぜかなんて聞いてくれるなよ。 その理由は単純明快である。 バリンッ! ベランダへ通じる窓をアクション映画ばりの飛び込みで粉砕し、一筋の影が室内に着地する。 ほら、こういうことがあるから… 「って、おいっ!何で今日に限って窓ガラスを割って入ってくんだよ。しかもここ二階だぞ。この前みたいに玄関、ピッキングでこじ開けて来てくれるんじゃねぇのかよ。ガラス代だってな、バカにならないだぞっ!」
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