2人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなことを力無くぼやいていると、突然というか必然というか、インターホンの呼び鈴がけたたましいほどに響いてきた。
少年は、腰あたりに掛かった布団を持ち上げ、深々と被り潜ると、
「次は、ピンポンラッシュとは、ご迷惑主義にでも目覚めちまったかな…」
と呆れ果て、溜息をもらす。
三十秒たったあたりだろうか、無視をし続けたことが功を奏したのか、呼び鈴がピタリと止んだ。
けれど、安堵する気にはなれなかった。
なぜかなんて聞いてくれるなよ。
その理由は単純明快である。
バリンッ!
ベランダへ通じる窓をアクション映画ばりの飛び込みで粉砕し、一筋の影が室内に着地する。
ほら、こういうことがあるから…
「って、おいっ!何で今日に限って窓ガラスを割って入ってくんだよ。しかもここ二階だぞ。この前みたいに玄関、ピッキングでこじ開けて来てくれるんじゃねぇのかよ。ガラス代だってな、バカにならないだぞっ!」
最初のコメントを投稿しよう!