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それどころか、火に油を注いでしまった。
「辞め」
「は~い!私の温もりが詰まったティーバックだよ。かぶるなり、食べるなり、あれやこれやに使うなり、好きにしちゃって!」
夕弦の制止の一言は、発する間も無く、輝夜の一声で打ち消されてしまった。
輝夜は高らかに黒のティーバックをヒラヒラと掲げている。
頬を紅潮させているが羞恥心からではないのは明白である。
興奮のあまり歯止めが効かなくなった暴走列車といったところだろう。
俺の反応がどうしたら面白くなるか、ただそのことだけに夢中なのだ。
「どうしたの?黙っちゃって。天使と悪魔が葛藤中?ほら、目の前には、君の欲しくてやまない輝夜ちゃんの脱ぎたてティーバックが手を伸ばせば、ほら。ダメよ、それをとってしまっては貴方は変態のレッテルを貼られてしまうけれど、それでもあなたは取らなければなりません。彼女の勇気を無駄にするんですか?」
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