第1章

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その目の前の席に、紺色のローブに身を包み、黒髪をオールバックに決めた筋肉隆々の大男がどっしりと座っている。 迫力満点な容姿はヤクザやマフィアさえも恐れ慄く凄味を放っている。 そんな彼の座る椅子の足はもう耐え切れないと言いたげそうにギシギシと不安な音を発てへし折れそうな勢いである。 そして、その大男の両斜め前の席には、少女と青年が座っている。 少女はテーブルの上に両肘をつき、重ねた手の上に顎を乗せ、不機嫌そうな表情で沈黙している。 珍しい桜色のロングに桜色の瞳。 彼女の顔立ちにルックスは周囲を釘付けにさせ離させない圧倒的な存在感を醸し出している。 可愛いというよりは美しいという言葉が当てはまる美貌だ。 白のワンピースにベージュのカーディガンを羽織り、季節的には辛い服装である。 けれど、彼女は眉一つピクリともさせず平然いや不機嫌な顔をきっちり守っている。
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