第1章

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とは言っても全くよくこんなセンターオブジアースからこれほどの宝石を掘り当てられたものだと驚嘆してしまう。 そして、もう一人の青年は少女とは対照的に背筋をきちっと伸ばし、独りでに明るく脳天気に無言の彼女にニコニコしながら、語りかけている。 「全くいつもそんな無愛想な顔してると幸せ逃げていっちゃうよ。ほらニコッとしてみて。」 彼女は無反応。 だが彼はめげるどころか、 「全くそんな君だから可愛いんだよね。もうお兄ちゃんは我慢できないよ!」 パシャパシャ… 手にカメラ握り、シャッターボタンを連打している。 瞬間移動を思わせる高速移動で、様々なアングルから撮影を始めた。 先程の貞操が嘘のようだ。 外見は気高く高貴な美青年であるのに、まさか内面がこんな残念なパパラッチまがいの変態さんだったとは、酷く裏切られた気分にもなる。
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