ローライズボクサーと子供パンツ

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スーパー銭湯にはバレー部の連中なんかと時々来たりしている。 陽介とも、以前来たことがある。 だが今日は、笠原も一緒だ。 笠原はスーパー銭湯自体が初めてみたいで、物珍しげにキョロキョロしている。 初々しい。 俺や陽介なんかと比べると、ふたまわりは小さいから、余計に微笑ましい感じに見えてしまう。 「わ、根岸はパンツまでカッコイイの履いてんだな!」 笠原が俺の下着をまじまじと見つめている。 ついついいつものクセで『よかったら、あげようか?』そんなセリフが脳裏をよぎるが、さすがにそれはナシだなと、冷静な判断を下す。 見ると笠原の下着はそこそこ年季の入ったグレーのボクサーパンツで、元々サイズが大きかったものが少しゆるっとしてしまっている。 女子が泊まりで彼氏のトランクスを借りるという彼パンみたいに見えなくもない。 「おれが履いてるのなんか、中学の時陽介のかあちゃんに買ってもらったヤツだよ。」 「ああ、大きくなるからって、俺と同じのにしたのに、結局デカくならなかったよな。」 笠原がぷっと頬を膨らせ 「まだこれからデカくなるんだよ!」 と、文句を言っている。 お揃いか。ちょっとうらやましい。 そんな事を考えていると、二人はさっさと浴場へ行ってしまった。 やや出遅れたが、身体を洗って二人の居る浴槽へ入って行く。 「広夢!聞けよ、三月さ、引退組とか取ってるって。」 「引退組?」 「でも、確かに中学のころ一緒に風呂入った時見たわー。」 「…?」 「引退組って言うのは、子供の頃の戦隊モノとか絵の書いてるヤツ。子供の頃のパンツってスゲェ強いんだよ。おれレギュラーが4枚しかないから、引退組も取ってて、替えのパンツがなくなったらそれ履くの。もちろんどこも出かけない時だけだぞ?」 「…へぇ…子供の頃のが入るんだな。」 「ま、ギリギリな!」 へへっと無邪気に笑っている。 ギリギリな子供パンツを履いている笠原をついつい想像してしまった。 ……。 すごく似合いそうだな。
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