22人が本棚に入れています
本棚に追加
「その子も仕事のか?」
フランクかロベルトの方に視線を向けながら言う。
「まぁそんなとこ。職を紹介してくれって依頼でね」
「ロ、ロベルト・カーラーンです。よろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げるとぶかぶかの帽子がするりと落ちた。慌てて拾い、すみませんと謝る。
するとフランクはしばしきょとんとした後、豪快に笑った。
「がっはっはっ!おもしれぇ坊主だな!」
「ああ、ちょっと抜けてるが」
「どっから連れてきたんだ。ここいらの人間じゃあねぇだろう」
「サバーブからの出稼ぎだ」
「なるほどな。道理でどっかしら品がある」
「俺が雇うことにした」
「おめぇが?珍しいこともあるもんだ」
フランクは驚きの表情を見せた。
「まぁな。気まぐれさ。それにこの容姿を見ろ。見事な商売道具になるだろ?」
「はっは!そりゃあいい!スレたここいらの女は皆イチコロだろうよ」
「で、フランク。一つ頼みなんだが、今日一日こいつを預かってくれないか。もちろん好きに使ってやってくれ」
「ああ、そういうことなら構わねぇよ。よろしくな坊主」
二人の会話についていけず、立ち尽くしていたロベルトは、フランクの言葉に苦笑いを返すので精一杯だった。
*
最初のコメントを投稿しよう!